具体的経験と抽象的経験

具体的経験と抽象的経験

Clock Icon2023.04.28

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こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事において何かに取り組む際に、すでに経験のある内容だと0からのスタートでは無いため、取り組みの質が高く、取り組みの効率が良い状態になります。経験のある内容といっても「具体的経験」と「抽象的経験」があると考えています。
今回は仕事における具体的経験と抽象的経験についてまとめます。

具体的経験とは?

仕事における具体的経験とは、任意の業務を実際に経験している状態です。
例えば、Rubyでユーザー登録の機能を実装したとします。
この場合、次にRubyでユーザー登録の実装を担当する場合、過去の経験を元に、すでに知っている状態からスタートすることができます。

抽象的経験とは?

仕事における抽象的経験とは、任意の業務を経験してはいないが、類似の業務を経験している状態です。
例えば、Rubyでユーザー登録の機能を実装したとします。この場合、次にPythonでユーザー登録の実装を担当する場合、Rubyでの実装経験を元に、ユーザー登録の実装に必要な観点自体は大枠で把握しています。あとは、プログラム言語ごとの差異を埋めればよいだけになります。
抽象的経験を適用できる範囲は、物事をどの範囲まで適用可能にしているかによります。
先程のRubyによるユーザー登録機能の実装とPythonによるユーザー登録機能の実装のケースは比較的類似度の高い「狭い抽象範囲の適用」です。
例えば、ユーザーの登録処理に限らず、何らかの登録処理全般の経験として捉えるとさらに適用範囲が広がります。
物事をパターンとして捉え、広く適用可能な状態です。

抽象的経験を適用できていない例

例えば、プログラミングにおいて二分探索を活用できる人がいたとします。
この人が、プログラミング以外の業務において二分探索が有効な場面に遭遇したとき、二分探索を活用できないのであれば、発想が「プログラミングの二分探索の活用」という具体的な経験に閉じていて、抽象的経験として適用できていないことになります。

抽象的経験を増やすためには?

多くのことを経験する

まずは適用元となる具体的な経験をする必要があります。
異なる種類の取り組み。未経験の取り組み。今までよりも難易度の高い取り組み。
挑戦を繰り返し、多様な経験をすることで手札を増やすことができます。

経験をふりかえり、概念化する

具体的な経験を「具体的経験」のままにするのか、「抽象的経験」に転換するのかは概念化の有無によります。
個別の経験をふりかえり、より広く抽象化して概念化することで、「抽象的経験」に変換できます。
なれてくると、より広い範囲に適用できる概念化ができます。
例えば、趣味の活動における経験から得たノウハウを仕事に適用できることもあるでしょう。
私は、一時期ゲームの攻略に没頭していて、今もそのときの経験を活用することがあります。
例えば、
  • ゲームにおける攻略のどこか一部でも尖っていて、それが認知されていると、総合力で劣っていても他の一流プレイヤーとも交流しやすくなる
という経験があります。
これはゲーム外に適用できることも確認できています。
私がウェブエンジニアから転職して人事になりたてのころ、大量にインプットをしていたため、未経験にもかかわらず知識が豊富にありました。これを元に、
  • 人事になったばかりの状態だが、知識があったため、現役の人事領域で活躍する方々と情報交換の交流がしやすくなった
という経験をできました。
これを元に考えるのならが、「人に何かを提供できるくらいにどこかが尖っていて、その存在がレアな場合、総合力で上回る他の人とのコミュニケーションのきっかけを得やすい」というふうに概念化することができます。

まとめ

具体的経験抽象的経験についてまとめました。
個別の経験を広く適用できると、抽象的に未経験な領域が減り、仕事の質や効率が高まります。
効率が良くなるとより多くの経験をしやすくなります。
しかも、抽象的経験の範囲が広ければ、より多くの経験をさらに広く適用できます。
この循環において、具体的経験を具体的に適用しているだけの状態とは大きな差がでてきます。
妙に成長の早い人。未経験のはずなのに仕事を着地させるのが早い人。
これらの人は、抽象的経験を適用できる範囲が広い人かもしれません。

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